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ナース・プラクティショナーとは? 看護師やかかりつけ医との違いも解説

08.15.2024 | ブログ

US Hibari Family Medical Nurse Practitioner

アメリカではよく聞くナース・プラクティショナー。ナース・プラクティショナーの主な役割やメリットについて、看護師やかかりつけ医との違いにも触れながら解説します。

ナース・プラクティショナーとは?

ナース・プラクティショナー(Nurse Practitioner:NP、またはAdvanced Practice Nurse:APN)とは、日本語で「上級看護師」、もしくは日本の「診療看護師」に相当する職種です。医学の知識と初期医療に関する実践を修了した看護師のことを指します。

医師不足が進むアメリカでは、ナース・プラクティショナーは非常にポピュラーな職種です。
2022年時点では約38万人以上(1)が米国各州の規定をクリアしナース・プラクティショナーとしての資格を保持しています。
((1) 出展:米国ナース・プラクティショナー協会(AANP)

ナース・プラクティショナーの特徴は、一定レベルの診断や治療であれば医師の指示を受けずに独立して行うことができる点です。診療の現場では医師と連携し、患者さまの病状の記録や身体測定、治療方針・計画の作成、お薬の処方などができます。

アメリカの場合、ナース・プラクティショナーの診療範囲は州によって異なり細かい規定があります。
基本的にはかぜ症状一般や慢性疾患の初期治療など、患者さまのプライマリーケアを中心に独立して従事することが可能です。

看護師や家庭医との違い

ナース・プラクティショナーは、日本でいう正看護師(Registered Nurse:RN)やかかりつけ医とはどう違うのでしょうか。

看護師(Registered Nurse)との違い

看護師もナース・プラクティショナーも看護と患者さまのケアが主な業務です。ただし大きく異なるのは、「資格の要件」と「独立して診療を行えるかどうか」の2点です。

ナース・プラクティショナーが一定レベルの診療を独立して行うことができる一方で、看護師は医師の監督・判断・指示がなければ医療行為を行うことができません。

また、州の規定によって異なりますが、看護師(Registered Nurse)の資格に必要な学位は2年制もしくは4年制大学の学士号である一方、ナース・プラクティショナーの場合は大学院の修士課程以上の修了が必要です。看護大学院の博士号を取得したNPもいますし、NPの資格取得に必要な実務研修時間も、看護師の資格取得に必要な期間より長く設定されています。

家庭医(Family Physician)との違い

家庭医とナース・プラクティショナーは、患者さまのプライマリーケアに従事しさまざまな症状を幅広く診るといった点では共通点が多いです。

ただし、大きく異なるのは医師の方が包括的でより複雑・高度な医療行為を行うことができ、そのためのより高度な教育と実務経験を積んでいるという点です。

わかりやすい例をあげると、たとえば慢性疾患の患者さまに対する診療の場合、

  • 中低度の高血圧や糖尿病などの慢性疾患をお持ちの患者さまはナース・プラクティショナーが診療
  • 複数の慢性疾患を抱え、合併症を併発しているような複雑な症状をお持ちの患者さまは医師が診療

といった手配が可能です。

ナース・プラクティショナーと医師が役割分担をすることで連携して診療を行うことができます。

(上記はわかりやすい一例で、実際の診療体制は各州の規定や実際の診療現場の状況や規定にもよりますので、必ずしもこの限りではありません。)

ナース・プラクティショナーが果たす役割とメリット

ナース・プラクティショナーが医師と連携しながら幅広い診療を行えるようになると、患者さまにとって以下のようなメリットがあります。

  • 診療の待ち時間が短くなる
  • 患者さま1人ひとりに対してより丁寧な説明や診察を行える
  • より多くの患者さまに対して健康状態を包括的に捉えた診察ができる
  • 治療と看護の両側面から包括的な患者さまのケアができる
  • 医師は、医師にしかできない治療や診断に専念できる

特にかかりつけ医のいるクリニックのNPの診察を受けると、かかりつけ医(家庭医)との連携がスムーズです。

かかりつけ医とNPが診療内容をしっかりと情報共有できるので、チーム体制で患者さまの健康状態を把握してサポートすることができます。

ひばりファミリーメディカルでももうすぐ
ナース・プラクティショナーによる診療が始まります!

ひばりファミリーメディカルでももうすぐナースプラクティショナーによる診療を開始する予定です。

準備が整い次第、ウェブサイトやSNSでナースプラクティショナーのご紹介や診療のご案内を掲示いたしますので、お楽しみに!

これからもみなさまにとってより便利で安心できる診療体制を整えてまいります。

引き続きひばりファミリーメディカルを宜しくお願い致します。

出典

  • 最期まで安心・安全な医療が タイムリーに受けられる社会をめざして 2040年に向けたナース・プラクティショナー(仮称)制度創設の必要性:月刊「看護」2020年2月号(日本看護協会)https://www.nurse.or.jp/nursing/np_system/pdf/202002_kango.pdf